リビングにドアがなくても問題ない?ドアなしにするメリットやデメリットを解説
これから建てる住まいをどのような間取りにするか考えたとき、開放感のある間取りに憧れる方も多いでしょう。仕切りの少ない間取りはおしゃれに感じるだけでなく、採光や通風も確保しやすいため、思い切ってリビングのドアをなくす人も少なくありません。
今回は、開放感のあるリビングに憧れるけれどドアをなくすのには不安がある方に向け、リビングをドアなしにするメリットとデメリットを解説します。ドアをなくさずに開放的なリビングを叶えた事例も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
リビングをドアなしにするメリット
リビングをドアなしにする、4つのメリットを見ていきましょう。
開放的なリビングになる
ドアのないリビングは視界を遮る仕切りがないため、開放感が高まって広々と感じられます。窓からの光も届きやすくなるため、玄関ドアを開いた瞬間から、明るく開放的に感じやすくなるでしょう。
出入りがしやすくなる
買い物帰りで重いものを持っているときや、友人や親戚を多く招待したときも。リビングのドアがなければ、開け閉めの手間がないためスムーズに出入りできます。毎日の小さなストレスを減らし、快適な日常を過ごせるでしょう。
さらに将来的に車椅子を使用することになっても、ドアなしのリビングは室内の行き来がしやすいため、バリアフリーの観点からも使いやすい間取りです。
家具の搬入がしやすくなる
引っ越しや大型家具の買い換えでは、扉が家具に干渉するのを防ぐためにあらかじめドアを取り外すケースも少なくありません。リビングのドアがなければ、大きく手間を減らせるので作業がスムーズに行えます。
事前に養生をしていても、ドアの取り外しには少なからず壁や床にキズを付けるリスクがあります。もし自分で取り外すときも、十分注意してください。
レイアウトの幅が広がる
リビングにドアがなければ、玄関ホールや廊下のスペースまで広くリビングを使えるため、レイアウトの幅が広がります。たとえば玄関の土間を広げて土間リビングとして使うなど、好みに合わせた工夫も可能。
オリジナリティのある住まいを楽しみたい方にも、ドアなしのリビングはおすすめです。
リビングをドアなしにするデメリット
メリットの次は、リビングをドアなしにする4つのデメリットを見ていきましょう。
プライバシーの確保が難しい
リビングのドアがないと、玄関からリビングまで見通しやすくなるため、プライバシーの確保が難しいです。気になる方は、背の高い家具で目隠しをする、移動式のパーティションを使用するなどで対策しましょう。
ペットが外に出てしまいやすい
ドアなしのリビングは、室内で飼っている犬や猫などのペットが外に出やすくなってしまいます。ペットゲートの設置や外に出ないようにしつけるといった対策も可能ですが、安全を第一に考えるなら、リビングと玄関の間にはドアを取り付けた方がよいでしょう。
においが気になりやすい
玄関は、靴のほかにもベビーカーやお子さまの部活動の道具など、外で使うものを多く収納します。玄関とリビングの間にドアがないと、料理のにおいが玄関に広がるだけでなく、靴などのにおいもリビングに届きやすいです。
気になる方は、玄関収納に扉をつけたり消臭アイテムを活用したりするとよいでしょう。
エアコンの効きが気になりやすい
エアコンの効きが気になりやすいのも、リビングをドアなしにするデメリットの1つです。特に玄関からは、ドアを開閉するたびに外気が侵入するため、せっかく調整した室温が変わってしまうのではと心配になる方も多いでしょう。
玄関ドアを大きく開け放ったりしなければ、リビングドアの有無だけで室温は大きく変わりません。冷暖房効率を高めたければ、厚手のカーテンやブラインドを設置するのも効果的です。それでも冷え込みが気になるときは、ポータブルタイプのファンヒーターなどで温度差を軽減しましょう。
エアコンの効きを気にして迷いすぎることのないように、温度差をなくすための工夫もぜひ取り入れてみてください。
リビングにドアがないと寒くなるって本当?
リビングにドアがないと、玄関から侵入する冷気の影響で寒くなりやすいといわれますが、高気密・高断熱の住宅ならそこまで心配する必要はありません。頻繁に玄関ドアを開け閉めしたり開け放ったりする場合を除き、通常の使用状況であれば、リビングドアの有無は室温の変化に大きく影響しないからです。
リビングのドアをなくしたからといって、冷え込みを強く感じるわけではありません。冷え込みが気になるときは、住まい全体の断熱性能や間取りへの工夫も大切です。
ドアなしのリビングが寒くなりやすいといわれる理由の1つには、土間リビングをつくった場合が考えられます。コンクリートやタイルの面積を広げた土間リビングは、一般的な玄関よりも冬場の冷え込みを感じやすいためです。
リビングのドアをなくして土間リビングを採用しつつ、冬場の冷え込みを抑えたければ、断熱材の使用や床暖房の取り付けを検討しましょう。コンクリート面の多い土間リビングからの冷え込みは他の場所にも伝わりやすいため、対策は念入りに行ってください。
リビングをドアなしにするか迷っている方へ | ドアありでも開放的な2つの事例
リビングをドアなしにするのには、メリットとデメリットの両方があるため、決めきれずに迷うこともあるでしょう。どうしてもドアをなくすのが不安な方に向け、ドアありでも開放的なリビングを叶えた2つの事例を紹介します。
まるで縁側!引戸で開放感のあるリビングを楽しむ事例
掲載事例 | 特注 モザイク障子 枠セット / 杉 ガラス戸 枠セット
土間を広くとり、まるで縁側のようなこちらの事例では、リビングとの間に大胆に引戸を採用。モザイク柄の障子を思わせるデザインで、落ち着いた和テイストが感じられます。
引戸をすべて開け放ったときの開放感も抜群で、土間から奥の居室までの繋がりのある空間を叶えました。
引戸は仕切りとしても使えるため、すべて閉めれば適度に視界を遮ってプライバシーを守れます。急なお客さまがいらしたときでも、モザイク障子前のスペースを縁側のように使い、お茶を飲んで待っていただくことも可能です。
引戸を締め切っても開放的に感じられるポイントは、土間スペース上部の吹き抜けと、土間の奥側にガラスの引戸を使用したこと。インパクトのあるモザイク柄の障子を全面に押し出しながら、圧迫感が出にくいように工夫しました。
ガラスの引戸や窓を多く採用し、自然光がやわらかく室内に差し込みます。縦・横に並べて配置した窓と吹き抜けの効果で、明るく開放的な空間に仕上がりました。
リビングにガラス戸を使うときのポイントについては、こちらの記事でも詳しく解説していますので、ぜひ参考にご覧ください。
ガラスを使ったリビングドアで空間をつなげる事例
掲載事例 | DOAX ラワン片引戸・片開き戸 枠セット
こちらは玄関ホールから続くリビングの入り口に、ガラス戸を使った事例。ガラスを通して玄関ホールの先の様子までわかるため、実際のスペース以上にリビングを広く感じられます。
玄関には壁面の窓だけではなく、明り取りとして天窓も採用。2方向から差し込む自然光が暗くなりがちな玄関を明るく照らし、リビングから見たときにも暗い印象を抱かせません。
広々としたコンクリート敷きの土間には、たっぷりの玄関収納を用意。リビングと玄関ホールの境にドアがあるので、外で使用するものを多く収納しても、リビングへにおいが届きません。
採光にこだわった玄関と大胆にガラスを使ったリビングドアの効果で、開放感を得ながらリビングにドアを設けるメリットも得られる住まいになりました。
リビングのドアに迷ったら杉野製作所へご相談ください
リビングをドアなしにするかどうかは、間取りだけでなく日常の使い勝手にも大きく関わります。ドアをなくすのには不安があるけれど、開放感と明るさを得たければ、リビングには引戸やガラスのドアを選ぶのがおすすめです。
ドアのデザインに迷ったら、ぜひ杉野製作所へご相談ください。熟練の職人が1枚ずつ手掛けるドアは、大量生産される既製品とは異なり、お客さまのご希望に応じた対応が可能です。お客さまの住まいに合う特別な1枚を、天然木の質感と共にお届けします。