施主支給で楽しむこだわりの室内ドア | 具体的な手順とメリット・注意点を解説
ハウスメーカーや工務店で住まいを新築するときは、ドアなどの建具やキッチン等の設備は「標準仕様」という形で用意されているケースも多いでしょう。
実はあらかじめ用意された中ではなく、自分の気に入った設備を取り寄せ、自由に選ぶこともできます。これが「施主支給」という方法です。
今回は、好きな設備を選べる反面、注意点も多い施主支給について解説します。
室内ドアを例にした具体的な手順も紹介しますので、建具などの内装にこだわりたい方は、ぜひ参考にしてください。
施主支給とは
通常、必要な建具や設備は施工業者である工務店やハウスメーカーが発注しますが、施主が自分で部材を調達し、施工業者が取り付けのみ行うのが「施主支給」です。
施主支給が可能かどうかは、手配する部材の種類や、業者によっても変わります。
たとえば室内ドアや照明は、規格が統一されて取り付けも簡単なため、施主支給でも対応しやすい部材です。
一方でシステムキッチンや洗面化粧台などの水回り設備は、取り付けを誤ると水漏れにつながるリスクが高く、業者によっては積極的に引き受けていません。
また、地域密着型の工務店は比較的柔軟に施主支給を受け入れますが、大手ハウスメーカーは工務店と比べて制約が強く、施主支給が認められにくい傾向にあります。
施主支給を希望するなら、対応可能な業者かどうか、あらかじめ確認しておくのがおすすめです。
施主支給の一般的な流れ
施主支給の一般的な流れは、以下のとおりです。
- 施工業者に、施主支給の希望を伝える
- 希望の商品を選ぶ
- 寸法などの詳細を施工業者に伝え、問題なければ施主が発注・支払い
- 施主が商品を受け取り、現場に納品
- 施工業者が取り付け、設置完了
通常、打ち合わせ以降の発注手続きは、施工業者がすべて対応します。さらに商品の支払いについても、建物代とまとめて支払うケースが多いでしょう。
施主支給では発注や納品などの一連の手続きを施主自身が行い、都度支払いを行うのが大きな違いとなっています。
室内ドアを施主支給するときの手順
ここからは、施主支給の手順をもう少し具体的に見ていきましょう。
例にあげるのは、木製ドアメーカーの杉野製作所へ、施主支給の室内ドアを注文する場合です。
杉野製作所では、注文は以下の手順で行います。
- 「MUKUICHI無料見積もりフォーム」から見積もり依頼
- 見積書兼発注書で内容確認
- 発注書の返送により、契約成立
- ドア製作開始
- 納品
最近はオンライン見積もりが普及し、施主支給の検討もしやすくなりました。
ただし、実物を確認せずに発注する場合は、かならず寸法などの詳細を確認しましょう。
なお、杉野製作所ではオンライン受注に対応するため、「納まり図面のダウンロード」や「図面や取り付け説明書のダウンロード」が可能です。ぜひ参考にご覧ください。
施主支給のメリット
マイホームにこだわりたい方にとって、施主支給は選択肢の幅を増やす、理想的な方法です。施主支給の2つのメリットを見ていきましょう。
希望のアイテムが選べる
施主支給の一番のメリットは、理想のアイテムが選べること。
ハウスメーカーや工務店では、「標準仕様」としてあらかじめセレクトされたプランの中から選ぶケースが多いです。しかし施主支給であれば、デザインや素材など、自分の好みに合わせたアイテムを選択できます。
こだわりのマイホームで、厳選したお気に入りのものに囲まれて暮らしたい方に、施主支給は特におすすめです。
商品代を抑えられる
施主支給では、購入先の店舗も自分で選べます。
そのため複数の店舗で購入できるものなら、比較して安い店舗で購入したり、ポイントを使ってお得に購入できたりと、商品代を抑えられるのも魅力です。
ただし配送料などの費用は別途必要になりますし、諸々の手配はすべて自分で行わなくてはなりません。
商品代を抑えるのが主な目的の場合、十分にメリットを感じられないケースもあるので、注意してください。
施主支給の注意点
こだわりの設備を選べる施主支給ですが、注意しなくてはならないポイントが3つあります。
- トータルコストが高くなりやすい
- 施工会社の保証対象外になる
- 発注や納期管理が自己責任になる
それぞれ詳しく見ていきましょう。
トータルコストが高くなりやすい
施主支給は購入したアイテムそれぞれに配送料がかかり、施工費も追加で必要になるため、トータルコストが高くなりやすいです。
また、施主支給で発注したアイテムは支払いのタイミングも異なるため、期日に漏れがないように注意しましょう。
施工会社の保証対象外になる
住宅を新築したときは、ハウスメーカーや工務店で独自の保証期間が設けられますが、施主支給は保証の対象外です。
工事不良にはアフターメンテナンスが適用されても、施主支給で手配したアイテムは、基本的に販売先の保証に準じます。
施主支給で手配するなら、購入先は製品保証やアフターメンテナンス体制の整ったところを選びましょう。
発注や納期管理が自己責任になる
通常は、デザインや色などの仕様さえ決定すれば、あとの工程はすべて施工業者に任せられます。しかし施主支給の場合は、発注後の納期管理まで自分で行わなくてはなりません。
もし間違いがあれば、他の部分の工期にも影響を及ぼします。
発注するときは、色やサイズ、納期などに間違いがないよう注意してください。
施主支給で失敗しないための3つのポイント
はじめて施主支給に挑戦する方に向け、失敗しないための3つのポイントを紹介します。
寸法や取り付け方法を確認する
施主支給では、必ず選んだ製品の寸法や取り付け方法を確認しましょう。もっとも確実な方法は、寸法が記載されている図面や取り付け説明書を、施工業者に渡すことです。
万が一、取り付けできない製品を手配してしまうと、工事全体の遅れにつながりかねません。問題なく設置できるかどうか、必ず施工業者に確認してもらいましょう。
納期に注意する
滞りなく工事を進めるためには、適切な納期管理が大切です。
施工業者に納期をいつにすべきか確認し、指示された期日までに納品完了できるように、確実に手配を済ませましょう。
もし何らかの事情で納期を過ぎてしまいそうなときは、すぐに施工業者に伝えてください。
施工会社と念入りに打ち合わせする
施工会社にとっても、施主支給は通常の工事と異なる、いわばイレギュラー対応です。
使いたいアイテムについて正しく把握できるように、施工業者には詳細を必ず伝えてください。
寸法が合わなかった、納期が間に合わなかったなどのトラブルは、施工会社と念入りに打ち合わせをしておけば防げるものばかりです。
安心して工事を進めるためにも、施工業者とは適切に情報を共有しましょう。
施主支給のドアでこだわりのインテリアを楽しもう
自分で発注や納品などの手続きを行う施主支給は、施工業者との打ち合わせも増え、手間のかかる方法ではあります。しかしインテリアにこだわりたい方にとって、施主支給は自分の好みのアイテムを取り入れられる、おすすめの手段です。
室内ドアはインテリアの印象を大きく変えますし、自分で手配したアイテムは、住まいへの愛着をいっそう深めてくれるでしょう。
トラブルを防ぐためにも、寸法などの確認や施工業者との打ち合わせは念入りに行い、理想の家づくりを楽しんでください。