扉が閉まらない原因は蝶番にあり?蝶番は自分でも調整できる?手順を詳しく解説
最近ドアの閉まりが悪くなってきたと感じたら、蝶番の不具合が原因かもしれません。
蝶番とは、扉とドア枠を固定する金具のこと。
新築当初は問題なく使えていた蝶番も、長年の使い込みによりネジがゆるみ、扉の開け閉めがスムーズにいかなくなるケースも多いです。
今回は、スムーズなドアの開け閉めに欠かせない蝶番の調整方法を紹介します。具体的な手順や注意点も解説しますので、ドアが閉まらなくて困っている方は、ぜひ参考にしてください。
扉の蝶番を調整した方がいいのはどんなとき?
日常的に使っている扉で以下のような不具合がでてきたら、蝶番の調整をおすすめします。
- 扉と枠の間にすき間がある
- 扉が枠に当たる
- 扉が閉まらない
それぞれ詳しく見ていきましょう。
扉と枠の間にすき間が空いている
蝶番の役割は、扉と枠とを正しい位置に固定することです。しかしネジがゆるむなど何らかの不具合が発生すると、正しい位置に扉を固定できず、扉と枠の間にすき間が空きます。
扉の上下には、もともと適度な通風や開け閉めを助けるためのすき間があります。このすき間が必要以上に空いている場合は、蝶番の不具合をなおすために調整が必要です。
扉が枠に当たる
扉が枠に当たって閉まらないときも、蝶番の調整が必要です。
扉が上下左右どこの枠に当たっているかによって、蝶番を調整する方法は変わります。
放っておくとドア枠が歪んだり、扉が床を擦って傷をつけたりするため、早めに蝶番を調整しましょう。
扉が閉まらない
扉が閉まらないときも、まずは蝶番を調整して状態を確認しましょう。経年劣化で蝶番の動きが悪くなっているだけなら、調整すれば扉が閉まるようになるケースもあります。
ただしドア枠の歪みが原因の場合は、蝶番の調整だけでは不充分です。その後の対応を考えるためにも、まずは蝶番の状態確認をおすすめします。
扉の蝶番を調整するときの手順
扉や蝶番の調整ついて、事前準備や3つの手順を見ていきましょう。
事前準備
扉の蝶番を調整するときは、事前準備として以下の4つを用意します。
- ドライバー
- 軍手
- マット
- 扉の取扱説明書
ドライバーや軍手、マットは扉の蝶番を調整するための必需品です。特にマットは、万が一の蝶番の脱落で床を傷つけないためにも、必ず敷いておきましょう。
扉の取扱説明書は、一般的に住宅の引き渡し時に、ほかの設備関連の説明書と一緒に渡されます。調整するネジの位置は蝶番によって異なるため、できるだけ取り扱い説明書を手元に用意してからの調整がおすすめです。
もし見当たらなければ、ドア枠に品番が明記されているケースが多いので、ドアの製造メーカーのホームページで詳細を確認してください。
手順1 | ドアの状態を確認する
準備が整ったら、はじめに見るのはドアの状態です。ドアを開け閉めして、扉が枠に当たっている部分はあるか、もしあればどこが当たっているのかを確認します。
扉がドア枠の上下、左右どこに当たっているかによって調整するネジが異なるため、注意深く確認しましょう。
ドアの状態が確認できたら、蝶番の「固定ネジ」をゆるめます。固定ネジの場所は蝶番によって異なるため、取扱説明書などで確認しながら行ってください。
固定ネジは、ゆるめるだけで決して外してはいけません。ドライバーで軽く1回転させる程度で十分でしょう。
手順2 | 左右のバランスを確認する
扉がドア枠の左右に干渉している場合、調整ネジを回して扉の左右位置を調整します。固定ネジと同様に調整ネジの位置を確かめ、少しずつ回しながらの調整が必要です。
一度に何回もネジを回そうとせずに、少しずつ全体のバランスを確認しながら調整してください。
手順3 | 前後のバランスを調整する
扉の前後のバランスも、調整ネジを回して整えます。扉の位置がドア枠に対して前後にずれているようであれば、前後用の調整ネジを回してバランスの調整が必要です。
こちらもドアの状態を見ながら、少しずつ回して調整しましょう。
最後に扉の上下位置を確認し、ずれているようであれば蝶番の軸を回転させます。すべての調整が完了したら、ゆるめた固定ネジを元通り締め直せば、蝶番の調整は完了です。
扉の蝶番を調整するときの注意点
扉の蝶番を調整するときには、以下の3つの注意点を守りましょう。
- 必ず2人以上で行う
- 扉の転倒に注意する
- 調整後に必ずドアの状態を確認する
どれも安全のために欠かせないものですので、特にはじめて蝶番の調整を行う方は、必ず実践してください。
必ず2人以上で行う
室内ドアは大きく、重さのある建具です。蝶番の調整では基本的にドアを完全に取り外すことはありませんが、万が一を考え必ず2人以上で行いましょう。
また上部の蝶番を調整するときは、高さがあるため踏み台を使用します。踏み外して転落することのないように、十分注意してください。
扉の転倒に注意する
蝶番の調整は、通常固定ネジをゆるめるのみで、ドアの取り外しまでは行いません。しかし錆や汚れがひどいなど、何らかの理由で取り外しをするときは、扉の転倒に注意しましょう。
扉の取り外しや再取り付けは、慣れていない人にとっては難易度が高く、かえって床や壁を傷つけてしまうおそれがあります。蝶番を確認して、もしドアを完全に取り外さなければならないようであれば、安全のためにも専門の業者へ依頼しましょう。
調整後に必ずドアの状態を確認する
蝶番の調整が終わったら、最後に必ずドアの状態を確認してください。手元で作業している間は気がつかなくても、全体で見ると違った方向で歪みが発生しているケースもあります。
扉が故障する原因にもなるため、調整後は少し離れた位置から全体を見て、開け閉めの状態を確認してください。
蝶番の調整だけでは対応できないケース
蝶番だけではなく扉やドア枠に不具合があるときは、蝶番を調整しても閉まり具合が改善しません。次の3つの不具合が見られるときは、専門の業者による修理やドアの入れ替えを検討しましょう。
調整したのに扉の閉まりが悪い
蝶番を調整しても扉の閉まり具合が改善しなければ、ドア枠や建て付けに不具合がでている可能性が高いです。
目視ではわからない微妙な歪みであっても、使用頻度の高いドアは、徐々に歪みが大きくなってしまいます。できるだけ早く、修理やドアの交換を検討しましょう。
扉や枠が損傷している
蝶番の調整によって閉まり具合が改善しても、扉や枠に損傷している部分があるなら、修理や交換がおすすめです。
扉やドア枠の損傷は徐々に広がり、無理な使用を続ければ建物の躯体にまで影響を及ぼします。ドア枠も建物を支える壁の一部と考え、早めの修理を依頼してください。
扉自体が歪んでいる
扉自体が歪んでいるときは、ドアそのものの交換が必要です。
扉だけでなくドア枠も歪んでいるときは、建物の躯体にまで歪みが発生している可能性があります。扉の歪みに気が付いたら、決して放置せずに修理業者へ点検を依頼してください。
蝶番の調整でなおらないときは扉の交換も検討しよう
扉が閉まりにくいときは、蝶番を調整すればなおるケースがほとんどです。しかし扉そのものが経年劣化で歪み調整しても元通りにならなければ、ドアそのものを交換しなくてはなりません。
室内ドアは面積が大きく目につきやすいため、新しいものに交換すればインテリアの雰囲気もがらっと変わります。
長年過ごしてきた部屋の印象を変えたければ、蝶番の調整だけでなく、思い切って室内ドアを交換してみるのもおすすめです。杉野製作所では、こだわりの木製ドアを全国のお客さまにお届けしています。蝶番の調整だけでなく新しいドアに交換したい方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。