ドアに鍵は後付けできる?ドアの鍵の選び方とよくある失敗例を解説
リビングや廊下、脱衣場など、住まいのさまざまな場所で使われる室内ドア。
ほとんどの方が鍵をつける玄関ドアに対して、鍵付きの室内ドアを検討している方は、あまり多くないかもしれません。
しかしはじめは必要性を感じなくても、子どもの成長や両親との同居といったライフステージの変化に合わせ、鍵の後付けを検討する人も多いです。
今回は、室内ドアに鍵の後付けを検討している方に向け、目的別の鍵の選び方や注意点を解説します。
鍵の後付けでよくある失敗例をはじめ、鍵付きドアのおすすめポイントも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
ドアに後付けできる鍵の種類
はじめに、ドアに後付けできる3種類の鍵を見ていきましょう。
- 簡易的な補助錠
- 鍵付きのドアノブ
- 独立タイプの鍵
取り付けのしやすさや、セキュリティ性能の違いについて解説します。
簡易的な補助錠
粘着テープで取り付けたり、ドアに挟んだりして使用するタイプの鍵が、簡易的な補助錠です。
着脱が簡単にできる上に、鍵をかけたいときだけすぐに設置可能なので、テレワークで急な会議をするときにも適しています。
ただし鍵自体の耐久性は高くないため、防犯目的ではなく一時的な補助錠としての使用がおすすめです。
鍵付きのドアノブ
実はドアノブは、扉を変えずにドアノブだけ鍵付きタイプへ交換できます。
上下に動かすレバーハンドルタイプから、回転させて使う握り玉タイプまで、規格さえ合えば好みのデザインが選びやすいのも特徴。
施錠の仕方も豊富で、鍵穴付きのほかにサムターンという施錠・解錠のためのつまみを回すものなど、希望に合わせた鍵の取り付けが可能です。
独立タイプの鍵
後付けできる鍵の中で最も防犯性が高いのが、独立タイプの鍵。
独立タイプは、鍵穴とドアノブを別に取り付けた鍵のこと。取り付けの難易度が高いため、専門業者への依頼がおすすめです。
合鍵を作りにくい「ディンプルキー」などもあり、防犯性の高さから、室内ドアだけでなく玄関ドアでもよく選ばれています。
【目的別】ドアに後付けする鍵の選び方
ドアに後付けできる鍵は、種類によって取り付けやすさや防犯性の高さが異なります。
目的に合った鍵を選ぶために、それぞれの特徴を見ていきましょう。
プライバシーの保護で取り付ける場合
思春期を迎えた子どもの個室や、脱衣場のドアなど。
プライバシーの保護のために鍵をつけるなら、開け閉めがしやすくしっかりと施錠できる、鍵付きのドアノブがおすすめです。
特に「チューブラ錠」と呼ばれるタイプなら、室外からもコインを使って解錠が可能。万が一の閉じ込めを防ぐため、安心して使えます。
子どもや高齢者の安全確保で取り付ける場合
好奇心旺盛な子どもがいたり、徘徊傾向のある高齢者と同居していたり。
思わぬ侵入や外出による危険を防ぐなら、安全確保のためにすぐに取り付けできる補助錠がおすすめです。
ポイントは、子どもや高齢者の手が届かない場所に鍵を取り付けること。
補助錠に手が届いてしまうと、無理に外されドアが傷ついたり、鍵が落下して怪我をするおそれがあります。
まずは簡易的な補助錠で様子を見ながら、状況に合わせて鍵付きのドアノブを検討するのもおすすめです。
防犯目的で取り付ける場合
防犯目的なら、最もセキュリティ効果の高い独立タイプの鍵を取り付けましょう。
独立タイプは専用の鍵がないと解錠できないため、自分が外出していて不在のときでも、鍵を開けられにくいです。
ただし独立タイプの鍵を後付けするには、取り付け用に穴を開けなくてはなりません。加工が難しいため、専門業者への依頼がおすすめです。
ドアに鍵を後付けするときの注意点
簡易的な補助錠では性能が不安だけれど、費用を抑えるために、できれば自分で鍵を取り付けたいと考える人もいるでしょう。
穴あけが必要な独立タイプは、取り付けの難易度が高いため個人での取り付けは難しいです。しかし鍵付きのドアノブへの交換なら、コツをつかめば個人でも行えます。
ドアに鍵を後付けするときの、3つの注意点を見ていきましょう。
ドアの種類に注意する
ドアに鍵を後付けするときは、まずドアの種類に注意しましょう。
押して開閉する「開き戸」か横にスライドさせる「引き戸」かで、使用する鍵のタイプも異なります。
また開き戸の場合、部屋の内側に向かって開く「内開き戸」なら内開き専用の鍵を。外側に向かって開く「外開き戸」なら、外開き専用の鍵を取り付けなければなりません。
必ずドアの種類を確認し、開き方に合った鍵を用意してください。
鍵のメーカーと型番に注意する
既存のドアノブを鍵付きのドアノブに交換するなら、鍵のメーカーと型番はできるだけ揃えましょう。
サイズや形状が異なると、新しいドアノブは取り付けできません。
ドアノブのメーカーや型番は、多くの場合ドア側面のフロントプレートに刻印されていますので、必ず確認してください。
正確に寸法を測る
ドアノブを交換するときは、以下の寸法の計測が必要です。
- ドアの厚み
- ドアノブの中心から、側面の金具(フロントプレート)がついている端までの長さ
- 側面の金具(フロントプレート)の寸法
- フロントプレートを留めるネジの上下の間隔
ドアノブは、取り付け用の穴と寸法が合わないと取り付けできません。
特にドアノブやネジを起点に間隔を測るときは、必ず中心から測り、ずれのないように注意しましょう。
このようにドアノブの交換は、決して簡単な作業ではありません。DIYに不慣れな方は、専門業者への依頼を検討してください。
ドアに鍵を後付けするときのよくある失敗例
どれだけ注意深く行っても、自分で行う鍵の後付けは失敗しやすいです。
よくある4つの失敗例を紹介します。
寸法の計測ミスで取り付けられない
最も多いのが、寸法の計測ミスで新しいドアノブが取り付けられないケースです。
メジャーはまっすぐにあて、ずれないように注意するなど、計測は念入りに行いましょう。
部品の取り付け方を間違える
部品をつける手順を間違えたり、上下を逆さまに取り付けてしまうのも、自分で後付けするときによくある失敗例。
よくあるのが、ラッチを取り付けるときの「ずれ」です。
ラッチとは、ドアの側面から出る三角形のパーツのこと。ラッチの取り付け位置がずれていると、上手く鍵が動作せず、スムーズにドアが開閉できません。
取り付け前はパーツの向きをよく確認し、手順に従って取り付けてください。
不慣れな作業でネジの先端がつぶれる・ネジ穴が広がる
DIYに不慣れな方に多いのが、サイズの合わないドライバーで無理にネジを回そうとした結果、ネジの先端がつぶれてしまうケースです。
中には上手く取り付けできず何度もやり直しているうちに、ネジ穴が広がり鍵の取り付け自体ができなくなるケースもあります。
ドライバーのサイズは事前に確認し、必要な工具を揃えてから、鍵の取り付けを行いましょう。
ドアの表面に傷がつく
ドアの表面に傷をつけてしまうのも、よくある失敗例の1つです。
特に先端のとがったドライバーで傷をつけてしまうと、修復は困難ですし傷跡も目立ちます。
ドアに鍵を後付けするときは、表面を傷つけないよう、できるだけ注意して行いましょう。
新築・リフォームの室内ドアは鍵付きがおすすめ
すでに設置されているドアを鍵付きにするには、大掛かりな作業が必要になるケースもあります。
これから新築・リフォームする自宅の建具を選ぶなら、室内ドアはぜひ鍵付きを検討しましょう。
万が一空き巣の被害にあっても、鍵付きの室内ドアなら被害を最小限に抑えられますし、日常生活でも、子どもや高齢者の安全を守ります。
さらに後付けする場合、取り付けできる鍵のメーカーや型番は限定的です。
しかし最初から取り付けるなら、好みに合わせて鍵のデザインを選ぶのも可能です。
はじめから鍵付きのドアを選べば、デザインにも使い勝手にも、さらにこだわった住まいになるでしょう。
鍵付きの室内ドアは杉野製作所にご相談ください
毎日使う室内ドアは、デザインにも使いやすさにもこだわりたい場所の1つです。
無垢材を使ったドアを中心に、長年木製ドアの製造・販売を手掛けている杉野製作所なら、質感と使い勝手に優れた木製ドアをご提供できます。
鍵を取り付けた木製ドアのご提案も可能ですので、鍵付きの木製ドアが気になる方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。